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アニメーション学科卒業生×デビュー・就職担当 塚本先生 座談会

2016/09/10

 

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az shishido宍戸俊介さん
(株)ボンズ

「モブサイコ100」
「文豪ストレイドッグス」
「赤髪の白雪姫」
「血界戦線」

 

  

az maeda前田ゆり子さん
(株)J.C.STAFF

「タブー・タトゥー」
「食戟のソーマ」
「へヴィーオブジェクト」
「ふらいんぐうぃっち」

 

  

az haruyama春山育子さん
(株)プロダクションI.G

「ハイキュー!!」
「黒子のバスケ」
「ジョーカー・ゲーム」

  

 

az kubota久保田由華さん
東映アニメーション(株)

「ワンピース」
「魔法つかいプリキュア!」
「ドラゴンボール超」

 

  

az tsukamoto塚本直重 先生
デビュー・就職担当

 

 

 

 

 

 


 

アニメーション業界で働くということ――。
現場で活躍中の卒業生の本音とは?

 

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塚本 : 早速なんですが、自己紹介を兼ねて皆さんの最近の近況を教えてください。

 

前田 : 私は今、「タブー・タトゥー」という作品で作画監督と原画を担当させて頂いています。

 

宍戸 : あ!その作品知ってる!

 

前田 : 知ってます?ありがとうございます。その作品はアクションをとても多く使っていて、普段あまりアクションを描かないので頑張っています。

 

塚本 : 今まで携わっていた作品に比べて、作画の難易度も上がっているということですか?

 

前田 : 日常生活の作画も難しい事には変わりないのですが、アクションになると作画の枚数も多くて…特に今回の作品はカメラワークにもこだわっていて背景動画もあるので大変なのですが、新鮮味があります。

 

塚本 : 前田さんは作画監督を担当するようにまでになったんですね。

 

前田 : 去年頃から任せてもらえるようになりました。最初、作画監督ってあまり良い印象はなかったのですが、実際経験してみたら、大変だけど作品に対しての影響力はとてもあるなと思いました。そこを楽しめれば辛いだけの仕事ではないので、作画監督になって良かったなと思います。

 

春山 : 私は最近はもうずっと「ハイキュー!!」を描いています。10月から始まる3期は、ほとんどのシーンが試合なんです。作画の枚数も多くなります。特にボールは基本的に3Dなのですが、回転の動きは作画で行っています。1秒間の回転数なども決まっていて、バウンドすると回転数が変わったり…バレー経験がないので大変です(笑)

 

前田 : 今は一原(第一原画)?

 

春山 : はい。レイアウトを担当させてもらっています。原画になって1年ちょっとなのですが、自分の思い通りに描けた時とか、演出さんから褒めてもらえたときは、やりがいがあります。出来る限り努力した作画を、良いって言ってもらえるとやっぱり嬉しいですよね。動画でも原画でもどのポジションでも常に作品を良くしたいという気持ちを持って仕事をしています。

 

塚本 : クリエイターだね。自分が担当したものは絶対良いものを作っていこうという気持ちは大切だよね。宍戸君は最近は何の作品をしていますか?

 

宍戸 : 「文豪ストレイドッグス」と「モブサイコ100」をやっています。モブサイコの方では動画検査をやっています。

 

塚本 : まだ原画はやらないんですか?

 

宍戸 : 今は動画が面白いので、急いで原画に行くこともないのかなと。

 

塚本 : 動画検査というと、業界にいない人は聞きなれない職種だと思うのですが、具体的にどんな仕事ですか?

 

宍戸 : 名前の通り、動画がきちんと出来ているか確認、修正したりします。描く以外にもスケジュール管理とかもしています。アニメ制作全体のスケジュールを管理している制作進行さんはいるのですが、動画の仕上がりのスピードとかって現場にいる自分が一番分かっていることなので、動画部分の制作進行さんのサポートという感じです。動画をしていた頃は自分だけで完結する作業だったのですが、作画監督や仕上げの方ともやり取りが多くなり大変ですが、でも苦労した分、良い作品が出来ると嬉しいし、やりがいがあります。

 

塚本 : 久保田さんはいかがですか?

 

久保田 : 私は4月に入社したばかりなので、まだ働き始めて4ヶ月くらいなのですが、会社で制作している作品「ワンピース」「ドラゴンボール」「プリキュア」などの動画を任せてもらえるようになりました。

 

塚本 : 仕事には慣れてきました?

 

久保田 : 職場の先輩も皆さん良くしてくれて、とても仕事がしやすい環境です。仕事する前はすぐに弱音をはいてしまうかなと思ったのですが、気付いたら半年近く経っていて、毎日充実しているんだなと思います。

 

春山 : いいね。うらやましい。

 

前田 : 仕事時間とかって決まっているの?

 

久保田 : 最初の頃は定時で帰っていましたが、最近はゆっくり描いているのでちょっと遅く帰ったりしています。

 

塚本 : 半年たったから、次の目標は1年続けることだね。

 

宍戸 : あっという間だよ。きっと。

 

久保田 : はい。頑張ります。

 

 

 

会社が欲している人材の傾向とかも分かってくるので、
相談に乗ったりとか協力出来ると思います。

 

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塚本 : 就職指導室では、今の時期はポートフォリオ(※)チェック真っ最中ですよ。

(※ポートフォリオ…クリエイティブ系の就職活動に必要な、自分の作品をファイルにまとめた冊子のこと。)

 

宍戸 : そうですよね。佳境ですよね。

 

塚本 : ちなみにこの間、J.C STAFFさんに2名内定が決まった在校生がいるので、前田さん来年からよろしくお願いしますね。

 

前田 : 本当ですか?楽しみです。

 

塚本 : 皆さんが就職活動をしていた頃はどんな所を頑張りましたか?

 

前田 : まずはポートフォリオを1冊をしっかり作り上げるというところが大変ですよね。

 

塚本 : 前田さんは凄くしっかりしてるから、ページ構成とかも考えながら作っていたよね。

 

前田 : 見る人が見やすいようにという意識は持って作っていました。この間、会社に届いたポートフォリオをちょっと見せてもらえる機会があって、やっぱり人に見せるという意識がある人と無い人は違うなと思いました。何を見せたかったのかが伝わるものでないと。自分の時はテーマとかを必死に考えながら作っていたと思います。

 

春山 : 私も聞いた話ですけど、見せ方って大事みたいですよね。作品の順番一つ取っても、印象変わりますしね。

 

前田 : 結局、アニメの原画も絵で伝えたいことが伝わらないとダメじゃないですか?なので、ポートフォリオも原画も効果的に伝えるところは根本的に一緒な感じがします。

 

塚本 : 会社ごとに求めているものとか違うからね。デッサンを重視する会社と、動きのある絵を重視する会社があったとして、作品順は一緒じゃいけないよね。そこで迷っている学生も結構居るんですよね。

 

前田 : 本当に一番良いのは、ここにいる私たち以外にも卒業生がたくさんいるので、行きたい会社で仕事をしている先輩を訪ねてもらうことだと思うんです。自分も5年くらい会社にいますが、それくらいの期間仕事をしていれば、会社が欲している人材の傾向とかも分かってくるので、相談に乗ったりとかの協力は出来ると思います。ここにいる皆の会社もそれぞれ特色とか傾向があると思うんですよ。直接が無理だったら、塚本先生を通してでも良いのでアポイントを取ってもらえればと思います。せっかくこうして先輩がたくさんいるので。

 

塚本 : ありがとうございます。頼もしい先輩がいると心強いですね。実際に求人を持って来てくれる卒業生もいたんですよ。このような卒業生と在校生のつながりをもっと強くしていきたいですよね。

 

塚本 : 話は変わりますが、春山さんのポートフォリオを在校生で、参考にしている人が多いんですよ。

 

春山 : とりあえず、当時は楽しんで描こうと思って。

 

塚本 : 確かにね。それは凄く伝わってきました。

 

春山 : 動きのある絵って勢いもあったほうがいいかなと思いまして。あとは、当時からI.Gに入ることを目標にしていたので、自分の絵柄も入れつつI.Gの作品っぽい感じのリアル調な絵を意識して描きました。

 

前田 : 私、春山さんの絵を見たとき、I.Gさんっぽいって思いました!

 

春山 : 本当ですか?見られていたんですね(笑)恥ずかしい…!でも、意識はして描いていました。

 

塚本 : 就職活動時、宍戸君は悩んでいたよね?

 

宍戸 : 今思えば、そこまで悩む必要も無かったと思うんですけど…。ボンズの試験には作文があって、普段絵ばっかり描いていて苦手意識があったので、先生に添削してもらえてありがたかったです。

 

久保田 : 私も文章を書くにあたって分からないところがあって、先生に相談に乗ってもらった記憶があります。あの時は凄く助かりました。模擬面接も何回かして頂いたので、良い緊張感で本番に臨めました。

 

春山 : 私も履歴書用の言葉遣いとか添削してもらいました。話言葉と文章の違いというか…やっぱり自分1人じゃ限界があるので、第3者の目に見てもらう機会は大事ですよね。

 

塚本 : では最後に、これからこの業界を目指す人にメッセージをお願いします。

 

宍戸 : 絵を描く職種ってたくさんあるじゃないですか?イラストレーターだったり、デザイナーだったり。その中でアニメーション業界に進むということは、動きを描くということをあらかじめ意識してもらえればと思います。

 

春山 : 1枚で見せるのと動きで見せるのとでは、同じ絵でもぜんぜん違いますよね。

 

前田 : 「動きを描くんだ」っていう気持ちでこの業界に来て欲しいですよね。

 

塚本 : あと観察眼を磨いておくと良いですよね。

 

前田 : そうですね。絵が上手い人は周りを見ていますね。あとはやっぱり集団作業なので、絵が上手いだけじゃなくで考え方とか人としてしっかりしていないとこの業界はやっていけないと思います。一生ものの仕事ですし。

 

春山 : あらゆる面に目を向けることは大事ですね。

 

久保田 : 何事も分からないことを聞ける学生のうちに先生とかにたくさん聞いて知識を増やすことは大事だなと思います。

 

塚本 : 卒業生の皆さん、ありがとうございました。今後の活躍を期待しています。

 

同窓会の時など、また時間がある時はいつでも学校に顔を見せに来てくださいね。

 

 

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